2014年8月31日日曜日

Domaine Daniel et Martine et Julien Barraud 2012(一部2011)テイスティングコメントまとめ

・2011 Macon-Vergisson la Roche ¥2,920(外税)

 柑橘の香り。程よい濃度があり、ドライ。少し落ち着いてきていている。値段に対してポテンシャルの方が優っている印象。少し蜜

・2012 Macon-Vergisson la Roche ¥2,990(外税)
  2011よりも柑橘、ハーブが強い。若々しく酸が強い。ミネラルもまだ鋭角的で飲むには幾分早い。しかしキレイ。ドライながらピュアな甘さを感じるように変化していくと思う

・ 2012 Macon-Chaintre les Pierres Polies  ¥2,590(外税)
  ソーヴィニヨン的な鮮度の良いハーブの香り。キレイな苦みと酸。バランス良い。2000円代でお得感あり。凝縮感から来るわずかな甘みを感じる。ツヤがありなめらかな口当たり。

・ 2012 Macon-Fuisse ¥2,850(外税)
 黄色い果実の香り。ミネラルを感じる香り。かなり良い。ねっとり感のある凝縮度。ミネラルにより中域の味わいがノっていて余韻も長くこの値段でのポテンシャルはかなり高く感じる。バローのマコンの中では抜きんでている。

・2012 Saint-Veran Arpege ¥3,090(外税)
 柑橘に少し甘い香り。凝縮度あり。マコンに比べると一段重くなった印象。若い故の苦み。ミネラルがしっかり。タイトで筋肉質。

・2012 Saint-Veran en Creches ¥3,350(外税)
 ミネラリー。なめらかでキレイ。タイトながらアルページュに比べると柔らかい。ビターですがすがしい。まだ樽が浮いている。香りは柑橘の中に甘い魅惑的な香り

・2012 Saint-Veran les Pommards ¥3,850(外税)
 黄色の中に黒。上よりも黒比率が高い。隙の無い味わい。香りは固く閉じている。酸、ミネラルあらゆる面でバランスが良くボリュームが増えてきた。質感がよく酸がオイシイ。

・ 2012 Pouilly-Fuisse Aliance Vieilles Vignes ¥3,720(外税)
 香りは閉じているがスモーキーで清涼感。蜜。味わいに隙がなく目の詰まって凝縮感から来る甘み。上質、立体感がありクリアな印象。素晴らしい。

・2012 Pouilly-Fuisse les Chataigniers Vieilles Vignes¥4,150(外税)
 香りの複雑性が一段と増す。上質でピュアな甘さが奥に隠れている。なめらかで野暮ったさが無い。余韻。味わいのポテンシャルが半端ない。伸びのある艶やかな味わい。ドライなのに甘い。今飲んでもうまいのはコレ。

・ 2012 2012 Pouilly-Fuisse en France ¥4,250(外税)
 固い。凝縮感。ミネラル。酸が強い。コク。ボリューム感。印象としてはシャープ。固いなというのは一時。若いが少し温度が上がってくれば少し開いてくる。

・2012 Pouilly-Fuisse la Verchere Vieilles Vignes ¥4,890(税込)
 さらにエレガンスに磨きがかかった。隙が無くミネラリティは満載で酸が美味しくてノリが良い。濃い。酸の張りがよく今飲んでもおいしい。深さを感じる。

・2012 Pouilly-Fuisse Sur la Roche ¥5,580(外税)
 固い。エキス的な旨み(白でエキス的という表現が思い浮かんだのは初めてだ)キュッとしていて目の詰まった味わい。華やかで深みがある。香りは閉じ気味、白い花、ミネラルとそれに伴った苦み。高級感、質感高い、旨み、凝縮感

・2012 Pouilly-Fuisse les Crays¥5,580(外税)
 透明感、ミネラルの質感の良さ。冷たい酸。ポテンシャル。凄い固いがジューシー。本来のポテンシャルはまだだが美味しく飲めるのが凄い。エレガント。質の良い甘み。

・2012  2012Pouilly-Fuisse en Buland Vieilles Vignes¥5,920(外税)
  甘さを感じる複雑味。持っている香りの量が違い過ぎる。ミネラルからくる苦み。固くボリューミー。固いがなめらか。グランクリュなみの緻密さ。ボーヌの良いワインと対抗する。
すべて良いワインだったがこれは飛びぬけていると思う。

総論
 メチャクチャうまい。諸先輩方とのテイスティングだった事もあり、多少他の方の言葉が混じっているとこもあり。自分のボキャブラリーの無さにほとほとあきれる。(例えば、凝縮感やミネラルにしてもキュヴェによって全然違うのだがうまく表現ができないことが課題)が、先輩方のテイスティングコメントには深みと説得力があり大変勉強になる。
 自分自身ドメーヌ・バローのテイスティングしたのは初めてだが、各アぺラシオンの概念がひっくり返るほどのものだった。
2012年のバローの味わいの全体的なイメージは酸がキレイで石のようなミネラルを感じる(キーンとしたミネラルがとても心地よい)ドライでタイトなんだが細くなく細マッチョのような理想的な味筋。
各村ごとに違いはよく出ていて特にプイィ=フュイッセは秀逸でピュリニーに近いイメージがある。
また、先輩方によればこのヴィンテージから値段が高くなり、うまくなかったら厳しいのではないかという意見もあったけど2012は近年稀にみる良年というレベルという事で、テイスティングを重ねて、キュヴェが上がって行くに連れて場のテンションも上がって行った。
僕個人的な意見としてはこのヴィンテージが初めてのテイスティングで比較対象はできないのだが、値段から見て、特に昨今のブルゴーニュ高騰もあって味わい対価格にはかなりの満足感が得られると思った。

ドメーヌ・バローの特設ページはこちら
http://www.wine-selects.com/ShinMem_Now_8.shtml

2014年8月25日月曜日

Batard Montrachet Grand Cru 2010 Domaine Faivley

Batard Montrachet Grand Cru 2010 Domaine Faivley

 2010年のバタールだが奥にミネラルはどっしり構えているものの、味わいは柔らかくすでに美味しく飲める。ヴィンテージがあまりにも違うし畑も違うしで比較するのもなんだとは思うけど以前テイスティングしたラモネのビアンヴェニュが鋭角的な研ぎ澄まされたようなミネラルに比べ、丸みがありオイリー感がある。
底が見えない深さで隙が無く密度がある。
さすがグランクリュで歴史ある造り手です。
 
 造り手の立場からすると飲み頃を全く迎えずに飲まれて勘違いをされてしまうのはとてもデリケートな問題なんだろう。(特にグラン・クリュのような長期熟成を必要とするものには)
 若い状態でポテンシャルのあるワインをテイスティングして将来どう変化していくかというのを正確に予想するにはかなりの経験が必要になってくるし自分だってソムリエの資格は持っていようがちゃんと予想することはまだまだできない。
しかも出荷されたワインの大体はきっと飲み頃を迎えずに飲まれてしまうだろうし。
 
 良いワインは早くから飲めるという事も聞くが(実際にそうも思う)、花開く時期に差し掛かった時感動が大きいのは若い時は固いワインなのか、若くからある程度美味しく飲めるワインなのだろうか。
 って書いてはみたものの状況は色々だし、絶対に2択なんかで決められるような問題ではないんだろうけど、単純にこれに関しては20年経った時にはラモネのビアンヴェニュやルモワスネのル・モンラッシェの感動までには届かないような気がする。けども僕の経験不足の可能性が大ですが。
何年後かにまた同じワインを飲めれば良いと思いますが、ワインは一期一会ですからね。


造り手まとめ
ニュイ・サン・ジョルジュに本拠を置く190年近くも歴史のあるドメーヌ。
8割は自社畑から造られるドメーヌもののワイン。120ヘクタールの自社畑!
コート・ド・ニュイの赤ワインに特化しがちだったラインナップを充実させるべく2008年にコート・ド・ボーヌの白、バタール・モンラッシェ、ビアンヴェニュ・バタール・モンラッシェ、ピュリニー=モンラッシェ・プルミエクリュ・ガロンヌを加えた。
これはその新たに入手した0.5haのバタール。
 2005年に25歳の若さで事業を引き継いだエルワン・フェヴレにより長年寝かせて初めて花開く長期熟成型のワインを比較的に早いうちに飲み頃を迎え、かつ長期熟成もできるワインのスタイルに変えた。

 


2014年8月12日火曜日

Bourgogne Aligote cuvee du Rossignol 2004 Laurant Ponsot

Bourgogne Aligote cuvee du Rossignol 2004 Laurent Ponsot

 ブラインドというのは難しい。けど楽しいし良い経験になるなぁ。
完全にシャルドネだと思っていたのだけどまさかのアリゴテだった。
シャサーニュのプルミエ?とか思ってしまったのだが

確かに酸は強かった。
でもそんなに溌剌とした、ピチピチとした感じはなかった。
レモン的な感じも残りながら丸みが出ていた。
結構伸びやかだったんだが、少し存在していた苦みがポイントだったのかな。
 
 冷静にみたら十年経ったアリゴテがこんなにウマイってのは凄い。
調べてみたら2001年購入のシャンボールの畑のアリゴテ!?
言われてみればシャンボールらしいミネラルのような気が。
いや、実際に存在しているんだからそうなんでしょうが。
まぁ、あとから言ったところで説得力もなにもないですが。
収量は50ha/hl
アリゴテにしたらかなり少ない方かな。

 しかしポンソの樹齢100年のモレサンドニ・モンリュイザンのアリゴテ、ヴォギュエのミュジニー・ブラン(今はまだ樹齢が若いためブルゴーニュ・ブラン)と興味は尽きません。。。
ワインの世界とは先の見えないトンネルのような、というより出口なんかないんじゃないかというよなおっそろしい世界ですね。

2014年8月9日土曜日

le Montrachet du Domaine Thenard 1985 Remoissenet pere&Fils


 飲みながら開いたり閉じたりするのはまだピーク時ではない事の目安らしい。
とにかくミネラルの量が凄い。以前飲んだビアンヴェニュなんかも凄いと思ったのだけれど、それよりも細かく全体的に緻密に詰まっているような、味わいの隅々までに行き届いているように感じます。
 僕には完全に開いたモンラッシェを飲んだ経験がないのでわからないのだけど、まだまだ若いらしい。
これで開いていないとは底知れぬ…という感じですが。余韻はいつ途切れるんだ!と思うほど長く、香りも開いたり、閉じたりして、確かに余裕を感じます。 そして味わいにも底知れぬ深淵さがあるもんなんですね。

んで実験してみました。
この湯呑に入れてレンジでチン。。。ホットモンラッシェです。
何してんだ!という声が聞こえてきそうですが、すこーしです。少し。
以前、デイリー系のワインをチンしたときは酸っぱくなってしまったのですが。
モンラッシェは味わいが崩れないですね。
やはりこれだけ温度を加えてもバランスが崩れないのはミネラルの量だな、と思います。
ワインのポテンシャルを図るにはやはりミネラル、鉄分を最重要視して判断するべきだなという気持ちが今は強いです。
昔、リーファーコンテナが無かった時代からモンラッシェは素晴らしい!と言われていたわけですから、格付けが高いほど、温度変化にも強いのかもしれません。

現在はバロン・テナールさんのモンラッシェはルモワスネ経由ではなく、ドメーヌ・バロン・テナールで出されることが多いらしいですね。
le Montrachet のleが付くというのはシャサーニュ側のモンラッシェ。
文豪デュマ「ひざまづいて飲むべし」とは深いなぁ。