2015年2月23日月曜日

2012 Sanssoo Domaine de la reserve d'o

南仏の自然派のワインはまるで体に良く染み込むような味わいの物が多い。
それはカルシウム系ミネラルか海風をイメージさせるナトリウム系ミネラルか、はたまた他の何かなのか。
いずれにしてもミネラルだけでなく酸も整ったワインでないと、そうはならないということだけは確かだ。


ブルゴーニュ以南の黒いニュアンスのあるワインも好きである。
特にそうゆうワインには、まれに味わいの奥から温かみのある酸が顔をのぞかせることがあって、個人的にはそれは旨み酸に近いと感じる事が多くエレガントにつながることが多い。

これはそのような物とはちょっと違ってどちらかというと南仏ながら冷涼な酸を保った良い例だと思う。
ちなみに二日目には豆っぽさが出てくる。それだけピュアなワインであると同時に繊細で傷つきやすくもある。
昔は良くこれをビオ臭ビオ臭言っていたが単に保管状態が悪いだけで作り手の意図を組んでいなかったのだなー。
まさに生鮮食品。

2013 la Lune vin de Francce La ferme de la sansonniere

輝き、透明感。
レモンのようなピュアな果実感。
見た目、香りでは口に含むまでは全く甘口だとは思わない。
ピュアさ一直線、ソフトなタッチ。
甘口と言っても通常甘口と言った時に想像するほど甘くはなく酸と糖分が絶妙なバランスで保たれているのでまったりしない。
亜硫酸前提で考えたワインと捉えてもおかしくないぐらい安定をしている。
甘口で、これだけ自然に安定している事の秀逸さに気づかなければならない。

2015年2月20日金曜日

2012 L'ivraie Jerome jouret

南フランス辺りの自然派のノンフィルターの白を飲むとき、澱が下がっていないと少しメロンのようなニュアンスが出てくることがある。(場合によっては還元香の後に)

 秀逸なミネラルは行き届いており、オイリーではあるが南仏のワインと聞いてイメージする完熟感はない。酸がピュアで健全であることが分かる。

ドライな造りで甘さと間違えそうな程、凝縮している。
 このワインは自然派だからどうこうではなく、いちワインとしてハイパフォーマンスであると言えると思う。

ジェローム・ジュレの中でも最もブルゴーニュ・バランスなワインだという。
確かにトロピカル感は少なく、味わいから創造する土壌組成も良く分かる。
マイナーな地域なあので値上がりが難しいのは生産者にとっては痛手かもしれないが飲む側としては非常に嬉しいワイン。

2015年2月16日月曜日

2011 Bourgogne Chardonnay Butterfield

 名前の通りバターっぽさもある。
ムルソー的な香りと味付きだ。
平均的なブルゴーニュブランより良い。しかし安い。これは嬉しい。
オイリーでナッティっぽさもあり、写真ではわかりづらいが淡い緑がある。
良い白ワインには淡く緑が入っていることが多いという。
何となくわかる。
ミネラルの詰まったワインでタイトに仕上がっている。

こうゆうのが良いですね。

2011 Rosso di Montalcino Uccelliera

凝縮度、エキスの詰まった感が半端ない。
まるで蜜のようでわずかにねっとりとしているようでもある。
それでいてこの色だ。この色から完熟したからだけではない凝縮度という事が分かるかもしれない。

 トスカーナあたりのワインというのは比較的、温度耐性がある。
ブルゴーニュ常温2日目では香りは出ても味わいは酸化したりしてしまう事が多いが、このロッソはあまり酸化することが無く、デキャンタージュしたかのように膨らみを増す。
もちろんある程度はダメージを受けるが。
ベストはセラーに立てて置いておくのだろうがなかなかそうはいかない。

 1日目は香りは片鱗のみ顔を出していた。
こうゆう時のじれったさお言ったらない。
2日目はヤバかった。
あふれ出ていた。
それでも片鱗なのだろうが。
ブルのピュアなフルーツ香とこの辺のワインの香りは別物だ。
色が褐色がかっているように酸化熟成のニュアンスが少しある。
少し甘みのある香りになる。
そして酸が穏やかなため若いうちに飲んでもそれほど固さに困らない。
そしてシンプルな肉料理にバッチリ合う。


ロッソディモンタルチーノはとてもお買い得だという。
なぜならブルネッロの生産者はロッソの葡萄もブルネッロを仕立てるつもりで仕上げているかららしい。
つまり格落ちだ。
とにかくこれはメチャうまい。
そして値段も安い。

2002 Chateau Certan Marzelle pomerol

この色は良いポムロールの色だ。覚えておこう。
結構赤が強い。
深みのある色合いがありながらギリギリそこが見えない事もない。
ピュアなエキスからのフィネス。。。なんて言うとブルゴーニュみたいだけれでも、本当は関係なくてこれは良いワインの前提条件なんだろう。

艶やかな液体。
シルキーな舌触りに冷やかめな酸、緻密さを兼ね備えている。
ブルゴーニュよりも少し緯度の低い位置の赤ワインには飲み終わった後のタンニンの後の独特の旨みがぶり返してくることがある。(アミノ酸の結晶のような)
あまり緯度が高くなってくるとまた違ってくるのだが大体ボルドー、ピエモンテ、トスカーナに近いものがあると思っている。
(自分の偏ったポートフォリオのため間違った解釈かもしれないが)
ピノノワールはそもそもタンニン自体がえらく少ないため感じ方が違うのかもしれない。


でも5000円以上のワインにはこの旨みの結晶の余韻があって欲しいと思っている。

 少し鉄の匂いがし、味わいは石灰質も含んだ粘土っぽさ、花崗岩ぽさがある。
自分の中でまだポムロールの味わいの概念が不完全ではあるのだけれども、良いポムロールの方向性は見えてきた。



2001 Vino Nobile di Montepulciano Proprieta Fanetti Tenuta "S.Agnese"


 黒味のある深い赤色をしている。
14年ものだが全然大丈夫。
と、いうよりも14年の中で今が一番おいしいのは間違いない。
開けたてすぐ香りは開いてくる。
少しザラつくのはそんなに落ち着かせている期間が短かったからだろうけども、しっかりと澱を落とす期間を設ければシルキーな舌触りになるだろう。

ヴィーノ・ノビレ的なタンニンもアフターに感じるが、甘みがぶり返してくるアミノ酸的なものだ。
タンニンの甘さ的にはあと2,3年置いても良い感じだ。

思い出しただけでも涎が出てくる。
やっぱりトスカーナは良いなぁ。
とても美味しい。
まぁ違ったうまさだが、美味しいという感覚はブルゴーニュより強いかもしれない。

追記
おそらく開栓から2週間程経った。驚くことに常温放置で味わいはピンピンしている。
ものすごいミネラル量だ。酸に嫌味が出ないのはブルゴーニュよりも緯度が低く温度帯が割と日本に近いトスカーナの気候的な酸の質によるものともともと酸化熟成タイプなので酸には強いとは思うのだが、それにしても、だ。
ヴィーノ・ノビレやブルネッロ、キャンティ・クラシコに関してはもっと日本での評価が上がるべきだと思っている。
なんにしても状態良く日本にインポートされることが続けばおのずと評価が高まってくれるとは思うけれども、物としてブルゴーニュ程日本人の舌に違和感なく入ってくる味わいでもないのもまた事実。
やっぱりこのタンニンは肉などの食事と共に供してこそとも言える。
人気が出て値段が高騰するのは嫌だけれども、値段が高騰すれば造り手の意識が高まり、産地としての向上が期待できるのも捨てがたい。

2011  Sonnenglanz Gewurztraminer Trapet


 若干野暮ったいきらいが出るのがゲヴェルツの難点だ。
振り返ってみればライチ香のする単調なワインというのが受ける印象が多い。

トラぺにかかれば複雑性や高貴さは文字通り「段」違いだ。
フルーツのアロマは金柑等の様々な小粒柑橘の香りを持ち合わせている。

 ゾンネングランツのワインは甘口と言えるくらい甘みはある。
遅摘みと少し貴腐のようなニュアンスも見受けられる。
それでいてなおかつダルさを感じないほどの酸を持っており、引き締まったワインだ。
残糖は結構あるはずなのにミネラリティと酸は覆い隠されてはいない。

 こうゆうワインはワイン初心者との同伴の席にも良いかもしれない。
甘みのおかげで単純に美味しくワインにしかないエレガントさにも絶対に気づく。
若い女性へのホワイトデー等のプレゼントやディナーの食中酒としても俄然イケる。
ピュアな酸とミネラルを壊さないように保存状態には気をつけてほしいが。

しかし、もうトラぺ関連は疑いなく選択できる造り手の一人かもしれない。

2011 Schoenenbourg Riesling Trapet

グランクリュとしてのポテンシャルは十二分でしょう。
ほぼドライな味筋でオイリーと粘性からだけではないふくよかさと冷たい酸、綺麗な石灰質ミネラルを感じるワイン。
非常になめらかでトロミのある濃縮した接触感だ。
大量の酸とのバランス率が非常に秀逸だ。
甘い方にも酸っぱい方にも触れない。

 すでに高貴さは出ていて香りは複雑性に富む。
アルザスのグランクリュのワインはブルゴーニュの白のグランクリュよりも若いうちに親しみやすいのかもしれない。
わずかな残糖のおかげでもあるかもしれない。

 余韻も素晴らしい伸びで飲み込んだ後にぶり返してくるのは良いワインの証拠。
とてもパーフェクトバランスなワインだ。