ワインについて色から受け取れる情報は多い。
良い白ワインには薄緑のニュアンスがあることが多く、黄色い色が多い方が南国フルーツのニュアンスは大きいような気がする。
良い赤ワインはツヤのある積層的な赤色からの深み。ワインのタイプによっては黒いニュアンスがある方が良かったりもする。
このキャンティクラシコは例外的に深く奥深い赤、少々黒いニュアンスもある。
そしてキャンティクラシコにしては例外的な程ミネラルが多く、それ由来の非常に照りのある色あいをしている。
色あいだけでいったら良いバローロにも匹敵するかもしれない。
味わいも2006年にしては非常に若々しく、老いは一切感じさせないこれからのワインである。
ミネラルに関しては何層にも重なった地盤というよりも割と単一的な地盤に深く根を張っていると捉えられる。(想像)
それ故に幾重にも重なった層からの複雑性はそこまでではないが非常に大量のミネラリティを保有している。
香りもフィネスの片鱗が伺える。
香りには藁のようなキャンティ的スパイシーさも残っている。
ミネラルがあるため非常に伸びやかであり、タンニンもシルキーであるため非常に上質。
マロを途中でやめたかのような乳酸とリンゴ酸の共存感があり。
それを支えられるのもミネラルの量が多いから。
フランスの大体の産地の赤ワインはある程度低い温度でも味つきを感じられるが、トスカーナ当たりのワインになってくるとある程度温度が上がらないと味わいがノって来ない。
これは緯度的な酸の質によるものという見解が強いと思う。
キャンティという地区は元々のキャンティ地区の事を現在ではキャンティ・クラシコと呼び、人気が高いので広げられた地区が現在のキャンティ地区となっている。
そのためキャンティ地区のワインはフレンドリーなワインが多く大量生産的であり、秀逸な生産者を探すのはいささか難しい。
しかし、キャンティ・クラシコ地区に置いても粗野な造りの物も散見することが多く、実際の知名度程良いワインが多くはないのかもしれない。
そんな中でこのワインはかなり良いと言えるだろう。
ワイン全体の中では中の上くらいの位置付けかもしれないがキャンティ・クラシコの中では非常に高品質だ。
ブルファンにも受け入れられそうな事がイメージできるのでなおさらそう思う。
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