2015年3月2日月曜日

2012 Cotes du Jura les Boutonniers les Dolomies


 ソフトタッチ、ミネラルの荒れの無いまとまり感、細やかでピチッとした酸味から秀逸な造り手という事が感じられる。
案外、ラベルから造り手のセンスが見て取れる事は多く、色使い、絵柄、字体などからも造り手の意思は感じ取れる。(特にマイナー産地の方が自由度は高く、その傾向は強い)

 特筆すべきは非常にミネラル量が多いワインだという事だ。
おそらく味わいに関しては開栓してから1週間くらいは持つかもしれない。
要素としてはカルシウム系が多くを占め、石灰、ステンレス的な要素もあると思われる。
ミネラルとは骨格であり、温度変化による劣化も単に酸の過熱というよりも、ミネラルのバランスの崩壊の方が影響度は強いかもしれない。
いずれにしてもミネラル、酸、タンニン等ワインの要素についてはそれぞれ独立したものではなく、常に連動したものなので一言では片づけられない。
さらにポテンシャルや価格は単純 にミネラルの量だけで語られるものではないので、ミネラルだけに躍起になって、ミネラルが全てだという考え方になってはいけない。
しかしミネラルがワインに与える影響は非常に大きい。

 個人的にはピュリニー的な鉱物的な立ち上がりがあると思っていたが、どうやらそれはソーヴィニヨンブラン的なハーヴィーな香りの取り違えのようだ。
もしかしたらシャルドネ100%ではないのかもしれない。

 さらにこの造り手はもしかしたら割と亜硫酸の使用を早くから行う造り手なのかもしれないとのこと。
連続的な安定感からなのか自分ではまだその妙までは捉えられていない。しかし総量が少ないのはそのタッチの柔らかさからは簡単に想像できる。

 ジュラといえばヴァン・ジョーヌやヴァン・ド・パガイユ、マックヴァン・ド・ジュラ等の特殊なワインが多い。
特にヴァン・ジョーヌは最低6年間ウィヤージュやスーティラージュをしてはならず、そのことによる産膜酵母の被膜を形成させ熟成させる。
そのためかわからないがこのシャルドネにもほんのわずか表面にソフトな膜が貼ってあるかのような柔らかなオイリー感が感じられるような気がしない事もないが、もしかしたら空気中に漂う産膜酵母の一種がわずかに影響しているのかもしれない。

 また、ジュラではシャルドネの事をシノニム(別名)でムロン・ダルボワと呼び、ムロン・ダルボワはシャルドネとは別物という地元の人も多いという。

緯度的にはほぼブルゴーニュと同緯度にあるが、メロンのニュアンスがあるのももしかしたら何か理由があるのかもしれない。

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