ロワールの自然派はパイオニア的な存在でもあってかやはりクオリティが高い。
それも自然派ワインとして、というよりも「ワインとして」クオリティが高い。
非常にピュアなワインだ。
酸がピチピチと細やかに、かつ大量に存在してる。
口に含むと酸を含んだカプセルが弾けるように味わいが広がっていく。
言い過ぎ感はあるが、まるで葡萄の生果実をかじっているような、錯覚を覚えることもある。
全体のまとまりが非常に良い。
おそらく何層かの地層まで根が食い込んでおり、しっかりとミネラルを吸い上げている事が感じられる。
土地を味わっている感覚は強い。
グランクリュのような偉大さはないが、ミネラルが味わいの隅々まで行き届いているような充実感があり葡萄の凝縮と相まってか若干オイリーに感じなくもない。(南仏のそれとはまったく違う)
液体の色も秀逸でとても艶っぽい。
エキスが積層しているのが分かるし、かなり美しい。
香りはピュアかつ、エレガンスも存在している。
味わいを探っていくとほんの少し酢酸のニュアンスがある事もわかるけれども全く問題はない。
安定しているし、ミネラルを喰っているというほど強いものではなく、むしろ好意的に見えるのは間違いない。
味わいにとっかかりが無いのは驚くべきことだ。
これは亜硫酸を使っていない裸のようなワインだが単純にそれだけに由来するものではない。
非常にフリーラン的な要素が強く、様々な要素が重なってこのような接触感を形成している。
カベルネ・ソーヴィニヨン(ヴィーニュ・フランセーズ)とガメイという変わったセパージュの赤ワインらしいが、まるでピノ・ノアールのようにタンニンのないワインだ。
そしてやはりヴィーニュ・フランセーズにはアメリカ産台木にはないニュアンスがあるような気がしてくる。
とにかく驚く程ピュアで美しいワインだ。
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